破産者名簿とは
破産者名簿とは、その名のとおり破産者の氏名を記したものであり、本籍の置かれている自治体で管理されています。
破産者名簿の誤解
一度でも借金で破産すると記載されてしまうと考えている人もいますが誤解です。実際には自己破産をした人の多くがこの名簿には記されていません。
そう言われると、名簿として機能していないと感じる人もいるでしょう。その認識にいたるのは、法律の知識が不足しているからに他なりません。
たとえ自己破産をしても、復権を得ているなら法律的には該当しないからです。
つまり、免責許可があった人に関しては除外して扱われます。あくまでも免責許可のおりなかった人に限定されているため、実際には破産をしても無縁であることが多いのです。具体的には、自己破産したうちの9割ほどの人は関係ないというのが実情となっています。
自己破産は世間に知れ渡るわけではない
もう一つの誤解として、ここに記載されると自分が破産者だと世間に知れ渡ってしまうということがあります。
名簿に載ることを恐れている人の多くは、知人や所属している企業の人に知られることを心配しているのです。こちらの名簿は誰でも閲覧できるタイプのものではありません。
したがって、知人などに見られる心配しなくても大丈夫です。あくまでも個人情報として大切に管理されることになります。ただし、身分証明書を自治体が発行するときに利用されるので、その提出を求められた場合には知られてしまう可能性があります。
破産者名簿の目的
どのような目的で作られる名簿なのかも知っておくと良いでしょう。単純に破産者の烙印を押したり、それ以外の人と区別したりするためのものではありません。
法律的には破産したままだと行えない仕事や就けない職業が存在するからです。代表的なのは弁護士や警備員などで、この名簿に載っている状態だと資格を得られない仕組みになっています。
名簿に載っていないことを証明するために、前述の身分証明書が利用されるというわけです。身分証明書と聞くと、パスポートなどをイメージする人もいるでしょう。
しかし、こちらの身分証明書はそれらとは異なる公的な書類です。
企業の人事担当などの第三者が勝手に発行を申請することはできません。つまり、その提出を求められない限りは何の影響もないので、実際には名簿に掲載されても大したデメリットにはならないことが多いです。
もちろん復権を得ていれば、発行しても他の人と同様なものになっており、自己破産したことを知られることはありません。